現代のデジタルサービスは、ログやメトリクス、トレース、セキュリティイベントなど、膨大なデータを生成しています。これらのデータは、パフォーマンスと信頼性を維持するために不可欠ですが、その増加速度は組織が保存・検索・管理できる許容範囲を超えています。
このギャップを埋めるために、Hydrolixは次世代のデータアーキテクチャを持つ自社技術と、同等のスケールで対応できるパートナーが必要であると考え、Akamai との提携に至りました。
従来のオブザーバビリティソリューションでは、データのサンプリングによる可視性の低下、インフラの過剰プロビジョニングによるコスト増を受け入れるなど、難しい選択を迫られます。Hydrolixは、これらのトレードオフを最小限に抑え、大規模なログストレージと分析をコスト効率よく高性能で実現することを目指しました。そして、Akamaiとの連携により、これらの機能をグローバルかつ大規模に提供できるようになりました。
オブザーバビリティの課題
従来のオブザーバビリティプラットフォームは、現在のデータ量に対応できる設計ではありません。ログがペタバイト規模に達すると、リアルタイムでのクエリは非常に遅く、複雑になります。その結果、インシデント対応やパフォーマンス調整、根本原因の分析が困難になります。
技術的な課題に加え、コスト面での圧力も高まっています。非効率なインジェストベースの価格設定や予測しにくい利用パターンにより、コストが増大し、制御が難しくなります。必要なときに可視性を制限せざるを得なくなります。
これらの制約はビジネス全体に波及し、デジタル体験の質を低下させ、エンジニアリングリソースを消費し、イノベーションを妨げます。つまり、オブザーバビリティが運用の推進力ではなく、ボトルネックとなってしまいます。
インターネット規模の複雑さに対応するAkamaiとのパートナーシップ
Hydrolixは、世界有数のトラフィック量を処理し、グローバルに分散したAkamai のプラットフォームに有用性を見出しました。こうした環境では先にあげたオブザーバビリティの課題がより顕著になり、それを解決することで大きな価値を提供できます。
Akamai の大規模なインフラと運用ノウハウ、エンタープライズレベルの信頼性は、Hydrolixの次世代データアーキテクチャと相互補完的です。両社の強みを組み合わせることで、現代のデジタルエコシステムの要求に応えるオブザーバビリティソリューションを提供できます。
このパートナーシップを通じて、イノベーションの加速、顧客の複雑さの軽減、そしてオブザーバビリティや運用、セキュリティデータの管理・活用方法に即効性のある改善をもたらすことを目指しています。
HydrolixとAkamaiの協業がもたらすもの
Hydrolixの技術を活用しAkamai が提供する「TrafficPeak」がこのパートナーシップの中心にあります。TrafficPeakは、膨大なテレメトリデータの収集と分析方法を変革します。単なる技術統合ではなく、グローバル規模でのオブザーバビリティのあり方を再定義するソリューションです。
高いパフォーマンス
TrafficPeakは、Hydrolixのカラム型ストレージエンジンと高速クエリ機能、Akamai の分散クラウドインフラとエッジネットワークを組み合わせています。これにより、顧客は1日あたりテラバイトの規模に達するログデータを取り込み、迅速にクエリを実行し、長期間のデータ保持もコストを抑えて実現できます。
複雑さの軽減
パフォーマンスだけでなく、運用モデルもシンプルにします。顧客は、複数のログコレクターや高価なインデックスシステム、多層ストレージ戦略を単一のプラットフォームに統合できます。これにより、セキュリティ分析やパフォーマンスのトラブルシューティング、コンプライアンス対応まで一元管理が可能です。
この統合により運用負荷が減り、エンジニアリングチームはパフォーマンスやセキュリティの問題特定にかかる時間を短縮し、より良いデジタル体験の構築に集中できます。たとえば、障害発生時に配信・コンピュート・セキュリティツールのログを手作業で統合する代わりに、関連するトラフィックやエラーデータを一括でクエリし、APIの設定ミスやエッジでの遅延、リクエスト急増などの根本原因を即座に特定できます。
緊密な統合
TrafficPeakは Akamai のプラットフォームサービスとも連携し、CDN配信ログやWebアプリケーションファイアウォール、ボット管理イベント、エッジコンピュートのテレメトリなどの詳細なフィールドにカスタマイズしてアクセスできます。
リクエストIDやレスポンスコード、セキュリティアクションを横断的に関連付けることで、チームはノイズと本質的な問題を素早く切り分け、パフォーマンスやセキュリティの問題の発生源を正確に特定できます。
顧客にもたらす主なメリット
すでに顧客が成果を実感
Navy Federal Credit Union(アメリカの世界最大規模の非営利金融協同組合)は、このパートナーシップの価値を示す好例です。何百万人もの会員が24時間利用するデジタルバンキングのため、分散システム全体の膨大なログを分析できるプラットフォームが必要でした。TrafficPeakは、そのニーズに即座に応えました。
導入はキックオフから本番稼働までわずか2週間で完了し、従来のオブザーバビリティ移行が数か月かかるのに比べて大幅に短縮されました。稼働後は、デジタルアプリケーション、セキュリティ制御、インフラ層全体の可視性を一元化し、複数のサイロ化されたシステムを置き換え、可視性のギャップと運用負荷を削減しました。
サブセカンドの検索機能により、チームはリアルタイムで問題を調査でき、解決までの時間を短縮し、1,400万人の会員向けデジタル体験を向上させました。インシデント対応も効率化され、エンジニアはクエリの完了を待つ必要や、サンプリングされた部分的なデータ分析に頼る必要がなくなりました。
業界を超えたパートナーシップの価値
Navy Federalの事例は、幅広い業界で活用できる可能性を示しています。金融機関はTrafficPeakを使ってコストを抑えつつコンプライアンス要件に対応し、メディア企業はトラフィックスパイクや配信ログをより深く分析しています。SaaSプロバイダーはアプリケーションイベントとインフラテレメトリを関連付けてパフォーマンス最適化や解約率低減に活用し、オンライン小売業者はユーザーや検索エンジン向けのストアフロントのパフォーマンスを確保しています。
業界を問わず、TrafficPeakはオブザーバビリティを単なるコストから戦略的な強みに変え、信頼性向上、顧客体験の改善、イノベーションの推進を支えています。
オブザーバビリティの未来に向けた共通ビジョン
このパートナーシップは、インターネット規模でのオブザーバビリティ管理のあり方を再考するものです。HydrolixとAkamai は、リアルタイムニーズに応え、包括的な可視性を手頃なコストで実現するテレメトリシステムの実現を目指しています。
詳細はこちら
このアプローチが貴社のオブザーバビリティ戦略をどのように変革できるかについては、e-book『Platform Engineering for Modern IT: Unlocking Observability and Cost-Effective Scaling with TrafficPeak』をご覧ください。
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