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エッジコンピューティングにより、何万もの製品を持つ E コマースサイトでの API 処理を改善

EdgeWorkers + EdgeKV を活用して複雑なクエリーを処理し、スケーラビリティを確保

EdgeWorkers の活用により、API パフォーマンスが 6 倍向上しました。今では大量のアクセスが発生するプロモーションも積極的に展開しています。ニッセンのビジネスは Akamai によって支援されています。

加藤雄一氏、株式会社ニッセンホールディングス、経営推進本部 IT 戦略推進部

エッジコンピューティングでパーソナライズパフォーマンスの問題を解決

カタログ通販の老舗として女性を中心に人気を誇るニッセンは、インターネット通販事業にも注力しています。ニッセンオンライン Web サイトを中心に、プラスサイズ・ブランド・ファッション専門のオンラインモールや、さまざまな他社のオンラインモール内に設置されたマルチブランドストアの運営など、独自のサービスラインナップを展開しています。

ニッセンの理念は、買い物客のひとりひとりが思い描く「あったらいいな」と思うものを、想像以上に優れた形で実現することです。買い物客への驚きや満足感の提供をめざしています。そのため、高品質のオンラインショッピング体験やサービスの提供に妥協はありません。

「当社は、ミッション、ビジョン、価値を維持するために、積極的に IT 対策に取り組んでいます。もちろん、安定したインフラの構築と運用をめざしていますが、お客様に価値を提供するために、早い段階から「積極的な IT」戦略にも力を入れています」と、ニッセンホールディングス IT 戦略推進本部の加藤雄一氏は述べています。

e コマースサイトのパフォーマンスは、オンラインショッピングの非常に重要な部分です。スムーズに製品を閲覧・購入できなければ、ユーザーはすぐに競合サイトを選んでしまいます。そのため、ニッセンでは早い段階から Akamai Cloud を活用して、e コマースサイトのパフォーマンスの維持・向上をめざしました。近年、ユーザーデータの保護は、サービスプロバイダーの責任と考えられるようになっています。そこで、ニッセンは Akamai のセキュリティソリューションを積極的に活用して、サービスの安全性を向上させています。

しかし、同社が最初にオンラインショッピング事業を開始して以来、Web テクノロジーとデバイス環境は劇的に変化し進化しています。特に重要なのは、個人の好みや活動に合わせたパーソナライズを重視することです。CDN テクノロジーには、ユーザーの近くのネットワークのエッジに静的コンテンツデータをキャッシュすることで、高速に Web ページを読み込めるという利点があります。一方、パーソナライゼーションテクノロジーはユーザーの属性や購入履歴に基づいてコンテンツを動的に表示できますが、頻繁な API 処理が必要になるという課題もありました。

「API コールの増加に伴うページ表示のパフォーマンスと読み込みの問題を解決する必要がありました。当社は非常に多くの製品を取り扱っており、お客様ごとの推薦商品などの機能などにより、API リクエストに含まれるクエリーのパターンが非常に複雑になり、CDN のキャッシュヒット率に課題が生じていました。API リクエストの多様性がオリジンサーバーに大きな負荷をかけていたため、ネットワークのエッジ側に処理を効率的にオフロードする方法を模索していました」と、経営推進本部 IT 戦略推進部の新居宏紀氏は述べています。

この問題を解決する方法として、エッジコンピューティングテクノロジーの検討が始まりました。クエリーに含まれている製品コード要素をエッジ処理で解析して保存できれば、キャッシュヒット率が大幅に向上して、オリジンサーバーの負荷が軽減されるため、コストを削減できユーザー体験は向上します。

Akamai は、EdgeWorkers によるエッジサーバー上でのカスタムロジックの実装と、EdgeKV によるエッジ上でのキーバリュー・ストア・データベースの実行が可能なサーバーレス・エッジ・コンピューティングを提供しています。

加藤氏を始めとするニッセンのスタッフは、長年 Akamai のサービスを信頼するユーザーでした。そのため、EdgeWorkers と EdgeKV を実装することにしたのです。もう 1 つの重要な理由は、フロントエンドのエンジニアが使い慣れた言語である JavaScript でコーディングできるということです。つまり、すでに社内にあるスキルを活用できたのです。

「Akamai の高品質なサービスを手放すことはできませんでした。当社は長年にわたり Akamai のサポートを受けています。ニッセンオンラインがどのように機能するかを理解しており、継続して正確なアドバイスとテクニカルサポートを提供してくれています」と、加藤氏は述べています。

複雑なクエリーをエッジで分割処理して最適化

これまでのニッセンオンラインでは、ユーザーがサイトにアクセスすると、ブラウザー/アプリで複数のアイテム(製品コード)を羅列した長いリクエスト(URL)が生成されていました。

たとえば製品 A、B、C、D があるとき、A+B、B+C+D、C+D は別々のリクエストとして判別されます。製品は 3 万点以上もあり、その組み合わせパターンが膨大になるため、キャッシュヒット率が低くなります。その結果、多くのリクエストがオリジン側で処理されてしまいます。

そこでニッセンは、複雑で長いリクエストが来ても、エッジ上の EdgeWorkers でリクエストを分解し、効率的にキャッシュヒット率を高めるコードを開発しました。そのコードを EdgeKV と併用してパーティション化されたデータベースに製品データを格納することで、オリジンに到達するクエリーの数を削減してサーバーの負荷を大幅に改善することができました。

「複雑なパターンのクエリーの多くをネットワークのエッジにオフロードして処理できるようになり、API のレスポンス性能が 6 倍速くなりました。その結果、サイトのパフォーマンスが向上し、ユーザー体験が向上しました。エッジで製品コードごとにクエリーを分割するという、これまでできなかったことが可能になったという点で、エッジコンピューティングに大きな価値を感じています」と、新居氏は述べています。

パフォーマンスの向上はあらゆる種類のセールス戦略に通じる

これまでニッセンオンラインでは、アクセス集中時のパフォーマンス劣化を懸念して、ソーシャルメディアでのプロモーションを控えるケースもありました。今ではサイトの現在のインフラにさまざまな戦略を簡単に処理するために十分な容量があるため、ビジネス部門はいつでも必要なサービスとコンテンツを積極的にプランできます。

ニッセンが開発したプログラムや取り組みは、世界中の e コマースサイトが抱える同様の問題を解決できる最先端のアイデアとして Akamai の APJ EdgeWorkers Coding Contest で最高賞を受賞しました。機能性と革新性に加えて、社会にも影響を与える可能性がある点が評価されました。

ニッセンは、ユーザーのショッピング体験をより充実させるために、パーソナライズやレスポンスを改善し、テクニカルな取り組みを一層改良したいと考えています。そのためのシステムを実装するインフラとしての EdgeWorkers への期待値は高く、さらなる応用範囲の可能性を感じています。

最後に、加藤氏は Akamai に対する高い期待について話しました。「Akamai から受けている手厚いサポートにはとても感謝しています。たとえば、日常業務で何ができるかできないかを明確に説明した後、問題解決策を複数提案してくれます。これは、私にとって印象的だった信頼できるサポートの 1 つです。インターネットショッピング業界では、リッチコンテンツ、セキュリティなどのさまざまな手段により、顧客サービスを改善する必要があります。Akamai が今後もニッセンのパートナーとして、積極的にビジネスをサポートしてくれることを期待しています」。


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