Akamai は、オンラインビジネスの力となり、守るサイバーセキュリティおよびクラウドコンピューティング企業です。当社の市場をリードするセキュリティソリューション、優れた脅威インテリジェンス、グローバル運用チームによって、あらゆる場所でエンタープライズデータとアプリケーションを保護する多層防御を利用いただけます。Akamai のフルスタック・クラウド・コンピューティング・ソリューションは、世界で最も分散化されたプラットフォームで高いパフォーマンスとコストを実現しています。多くのグローバル企業が、ビジネスの成長に必要な業界最高レベルの信頼性、拡張性、専門知識を提供できる Akamai に信頼を寄せています。
ネットワークエッジとは、物理的な世界とデジタル世界が相互作用する場所です。インターネットやネットワークに接続されたデバイスにデータが入力されたり、ユーザーやアプリケーションが意思決定や知見の獲得のために使用するデータを取り込んだりする場所です。エッジコンピューティングとは、遠く離れた場所にあるセントラルロケーションでデータを処理するのではなく、データや知見をユーザーやデバイスの近くに置き、意思決定を迅速化することを指します。ネットワークのエッジで処理を管理することにより、エッジコンピューティングはデータ(特にリアルタイムのデータ)でレイテンシーの問題が発生することを回避し、アプリケーションの目的や性能に影響が及ばないようにします。
エッジコンピューティングは、データ処理機能とストレージ機能を、集約型データセンターから、ユーザーやデバイスがデータにアクセスするネットワークエッジに物理的に近いサーバーへ移すITコンピューティングモデルです。エッジコンピューティングは、ユーザーやデバイスの近くにデータを保存して処理することで、ネットワーク接続性の向上、レイテンシーの低減、コストの最小化、セキュリティの強化、ユーザー体験の向上を後押しします。
エッジコンピューティングは、独自のラボを備えた医師の診療所と考えることができます。診療所は、数百マイル離れた中央処理センターにサンプルを送るのではなく、血液検査をその場で収集、処理、分析するための機器、時間的余力、人員を備えているため、結果をより迅速かつコスト効率よく得ることができます。医療サンプルはラボから出ないため、紛失したり盗まれたりする可能性はほとんどありません。また、ラボを効率的に処理することで、診療所はより満足度の高い患者体験を提供します。
エッジコンピューティングが重要な理由
私たちが毎年生み出して使用するデータの量は飛躍的に増加しています。モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、機械学習(ML)などのテクノロジーは、膨大な量のデータを生成しています。また、数十億台ものデバイスが新しい5Gネットワークに接続すると、この仮想的なデータの海はますます拡大します。
従来のコンピューティングモデルでは、組織のデータは集約型のデータセンターを介してルーティングされるため、ITチームとセキュリティチームはデータの管理、検査、セキュリティポリシーの適用を行うことができます。しかし、データ量が増加すると、そのすべてのトラフィックをデータセンターに送信することによって、必然的にネットワークのレイテンシーと輻輳が発生します。その結果、ユーザーやアプリケーションは十分な速度でデータを取得できず、ユーザーのオンライン体験は低速でストレスのたまるものになります。
エッジコンピューティングは、データが生成され使用される場所の近くでデータを処理して保存することで、この課題に対応します。エッジコンピューティングは、データ、ワークロード、コンピューティング機能を近くに置くことで、データが必要な場所に迅速に到着するようにし、応答時間、アプリケーションパフォーマンス、ユーザー体験を向上させます。同時に、エッジコンピューティングは、より広範なネットワークの輻輳を最小限に抑えます。
エッジコンピューティングの仕組み
ネットワークエッジとは、物理的な世界とデジタル世界が相互作用する場所です。インターネットやネットワークに接続されたデバイスにデータが入力されたり、ユーザーやアプリケーションが意思決定や知見の獲得のために使用するデータを取り込んだりする場所です。エッジコンピューティングとは、遠く離れた場所にあるセントラルロケーションでデータを処理するのではなく、データや知見をユーザーやデバイスの近くに置き、意思決定を迅速化することを指します。ネットワークのエッジで処理を管理することにより、エッジコンピューティングはデータ(特にリアルタイムのデータ)でレイテンシーの問題が発生することを回避し、アプリケーションの目的や性能に影響が及ばないようにします。
エッジネットワークを構築するために、ITチームは近くのデバイス向けにデータを迅速に処理できるサーバーとストレージを展開することで、リモートロケーションでコンピューティングキャパシティを構築します。あるいは、ラップトップ、スマートフォン、IoTセンサーなどのエッジデバイスに組み込まれたメモリーやストレージでデータを処理することもできます。エッジネットワークは、エッジデバイスによって生成されたデータを中央のデータセンターやクラウドに送信するのではなく、ほとんどのデータをオンプレミスまたは近くのエッジサーバーで処理して保存し、クラウドまたは中央のデータセンターに重要な情報のみを送信します。
エッジデバイスとは
エッジデバイスは、情報を収集、使用、提供するネットワーク上のエンドポイントです。現実世界とデータセンターまたはクラウドとの間のインターフェースとして機能します。エッジデバイスには、ラップトップ、デスクトップ、サーバー、ルーターなど、私たちが日常的に使用するマシンや、IoTネットワークの一部であるデバイスやゲートウェイが含まれます。その他のエッジデバイスには、医療機器、科学機器、スキャナー、自律走行車、スマートディスプレイ、POS端末、ドローン、ロボット、産業用コントローラー、自動販売機などがあります。
エッジコンピューティングの例
エッジコンピューティングは、私たちの身の回りで行われており、今後も成長と拡大を続けていくでしょう。日常的なやり取りの中で、応答が早いのが当たり前だと思われているものがあります。たとえば、モバイルアプリの利用、オンラインショッピング、預金残高の確認、ストリーミング・メディアのほかに、照明やチャイム、自動車などの電気接続型の機器の操作、電車や飛行機の予約といったことです。このようなサービスには必ず、大規模なリアルタイムの情報処理が必要になります。これらはすべて、エッジコンピューティングを導入するどうかで、優れた体験にも、遅くてストレスの多い体験にもなり得る例です。
次のような一般的なエッジのユースケースが考えられます。
- ゲーム:リアルタイムの応答性、待ち時間、マッチメイキング、低レイテンシーは、競技ゲームに不可欠です。エッジコンピューティングは、プレイヤーとの近接性を高めることで、これらのデジタル体験を向上させます。
- IoTネットワーク:エッジコンピューティングソリューションを使用すると、企業はIoTネットワークの力を活用して、大量のデータをリアルタイムで収集、分析し、対応することができます。
- 自律走行車:自動運転車は、リアルタイムで集約して分析する必要のある膨大な量のデータを生み出し、車両が瞬時に判断して、乗客や貨物を適切な目的地に安全に届けられるようにします。
- 通信事業:エッジコンピューティングにより、通信サービスプロバイダーはネットワークを現代化し、ワークロードとサービスをネットワークのエッジに移行して、優れたパフォーマンスを実現できます。
- 工業生産:メーカーは、エッジコンピューティングを活用し、リアルタイム分析と機械学習を通じて、機器の監視、生産エラーの特定、自動化、ロボットの管理、品質の向上を実現します。
- エネルギー:エネルギー探査と生産に関わる企業は、エッジコンピューティングを使用して油田やガス田のデータを収集して保存し、リアルタイムのインテリジェンスを提供して、危険を検知し、生産を最適化し、効率を向上させ、人員の安全を確保します。
- 安全アプリケーション:空港でのリアルタイム顔認識から、オンサイトの動体検知やカメラまで、多くの安全および監視アプリケーションは、ネットワークのエッジでデータを処理する場合の超高速の応答時間からメリットを得ています。
- ヘルスケア。エッジコンピューティングは、医療機器やセンサーによって生成された膨大な量のデータを収集して処理するのに最適です。これにより、プロバイダーは患者の状態の変化に迅速に対応できます。
- スマートシティ:スマートシティでは、エッジコンピューティングを使用して、スマート信号、スマート電力グリッド、スマート街灯、スマート監視システムなどのリアルタイムアプリケーションを稼働させます。これらのアプリケーションでは、一瞬の応答時間と優れた精度でデータを処理できなければなりません。
- 拡張現実(AR)と仮想現実(VR):ARとVRはどちらも、ほぼゼロの遅延で大規模なデータセットをリアルタイムで処理する必要があります。
- 人工知能(AI):エッジコンピューティングにより、AIおよび機械学習アプリケーションは、より高速に、信頼性の高い接続で大量のデータを生成、フェッチ、処理できるようになります。
エッジコンピューティングのメリット
エッジコンピューティングの利点を理解するためには、数百マイル離れた都市にある銀行の中央本店ではなく、地元の銀行やATMを使用することのようにエッジコンピューティングを考えることができます。預金をするか現金を引き出すために長い距離を運転するのではなく、数区画先の地元の支店に行くだけでよく、多くの時間とお金を節約できます。すべての近隣住民が同じことをすれば、地元の道路の混雑も軽減できます。また、車のトラブルや事故が発生したり、数区画先の地元の銀行への移動中にお金が盗まれたりする可能性は低いため、安全性も高まります。
エッジコンピューティングのメリットは以下のとおりです。
- 低レイテンシー:レイテンシーとは、Web サイトにアクセスしてからページの読み込みが終わるまでの時間、あるいはモバイルアプリをタップしてからその処理が完了するまでの時間を指します。これは通常、データを処理する場所とデータを保存する場所が物理的に離れているために発生します。プロセスがエッジに移動し、ユーザーの近くで処理されるようになれば、ほぼリアルタイムのデジタル体験になります。
- コスト削減:エッジコンピューティングは、ネットワークトラフィックを最小限に抑えることで、十分な帯域幅のプロビジョニングや、クラウドへのデータの移動と保存に関連するコストを削減します。
- パフォーマンスの向上:低レイテンシーかつ短いロード時間でデータを配信することで、組織はネットワーク、システム、アプリケーションのパフォーマンスを向上させることができます。
- 顧客体験の向上:エッジコンピューティングは、応答時間を短縮し、レイテンシーを低減することで、顧客がWebサイトやアプリケーションと関わる際の体験を向上させます。
- データ主権:エッジコンピューティングは、データを国や地域の境界を越えずにローカルに保持することで、企業がデータ主権の問題を回避し、さまざまな地域のデータプライバシー規制へのコンプライアンスをシンプル化できるようにします。
- 生産性の向上:エッジコンピューティングは、ユーザーがデータや分析に迅速にアクセスできるようにすることで、意思決定と行動をより迅速に行えるようにします。
- 迅速な意思決定:短い応答時間と信頼性の高いネットワーク接続により、ビジネスリーダーが十分な情報に基づいて意思決定を行うために必要なデータの配信が高速化されます。
- より優れた回復力:エッジコンピューティングは、データ処理をデバイスやエッジロケーションのネットワークに移すことで、データをローカルで送信および処理するための冗長パスを提供し、中央集中型サーバーに伴う潜在的な一元的障害点を排除します。
Akamai の業界をリードするエッジ・コンピューティング・ソリューション
Akamaiは、比類のない規模、信頼性、セキュリティで柔軟にアプリケーションやサービスを構築および実行するためのエッジインフラを提供します。超分散型のエッジおよびクラウドプラットフォームにより、エッジアプリケーション、サービスコンピューティング、クラウド最適化の分野で最高のサービスを提供できる態勢を整えています。デジタルトランスフォーメーションはかつてないほど簡単になりました。
- EdgeWorkersは、Akamaiのプラットフォームを活用してエッジで安全かつ迅速に計算を実行する新しいマイクロサービスを作成するための機能とツールを開発チームに提供します。
- EdgeKV は分散キー・バリュー・ストアです。JavaScript 開発者による、データに基づく EdgeWorkers アプリケーションの構築を可能にします。
- Cloudletは、アプリケーションロジックをエッジで実行するためのツールを提供し、堅牢でセルフサービス可能なアプリを通じて優れたWeb体験を提供します。
よくある質問(FAQ)
エッジコンピューティングは、データを生成して使用するユーザー、デバイス、アプリケーションに近いネットワークのエッジでデータを保存して処理するITアーキテクチャです。これにより、レイテンシーとネットワークの輻輳が軽減され、応答時間が短縮され、リアルタイムの意思決定が可能になります。コンテンツ・デリバリー・ネットワークとは、ユーザーの近くにコンテンツを保存して提供する、地理的に分散されたサーバーの集合体であり、応答時間を短縮し、ユーザー体験を向上させます。エッジコンピューティングとCDN はどちらも、データコンテンツをネットワークのエッジに近づけるように設計されています。ただし、CDNはデータの静的コピーをキャッシュするだけで、エッジネットワークはデータを保存して処理します。
エッジコンピューティングは、データ処理、ストレージ、ネットワーキング、セキュリティなどの機能をネットワークのエッジに移し、膨大な数のデバイスを使用して、データを必要とするユーザーやアプリケーションの近くでデータを処理および保存します。 クラウドコンピューティング は、仮想化テクノロジーを使用して世界中のデータセンターに膨大なITリソースのプールを作成し、コンピューティングリソースをオンデマンドで利用し、インターネット経由でアクセスできるようにします。クラウドコンピューティングは、通常は遠く離れたデータセンターにあるクラウドリソース上でワークロードを実行します。一方、エッジコンピューティングは、ネットワークのエッジにあるデバイス上でワークロードを実行します。